何気ない一言。言った本人は一瞬で忘れてしまうことでしょう。
しかし聞く人によっては、死ぬまでずっと覚えているほどの傷を負うことがあります。
今回の記事では、LGBT当事者である僕自身がこれまでに言われて傷ついた言葉や質問をまとめました。
これは僕個人が感じたことなので、LGBTの当事者全員が当てはまるわけではありません。あくまでも1個人の意見としてお読みください!
カミングアウト編
僕にとってカミングアウトをするのは、相手のことを「信頼している」という前提があります。
信頼していない人なら以下の2つを言われても大して傷つきません。
しかし、カミングアウトするかどうか長い時間をかけて悩んで、その結果相手を信じて言うことを決意したうえでこのことを言われると、心のどこかでひっかかる部分がありますね。笑
俺LGBTめっちゃ理解あるよ!大学の講義で受けたから!
真っ先にこう言われたとき
軽く馬鹿にされているのかな?
って思いました(笑)
本人なりに寄り添ったつもりなんでしょうが僕はかなり突き放された感じがしました。
うまく言葉にできないんですが「人間ではない動物のような何か」みたいな印象を受けてしまうのは僕だけ?笑
この時にカミングアウトした相手は、かなり高学歴で、国立大学に入り、そのまま大学院に進学しました。
カミングアウトしてから数年後、この人に会う機会があり、当時のことを聞いてみました。すると、
「セクシャリティをカミングアウトされる経験が初めてだった」そうで当時はこれが親切な言葉だと思っていたそうです。
当時はめちゃくちゃ傷つきましたが、
数年経った今も仲が良い友達なので安心してください(笑)
どっちが男役でどっちが女役なの?
これはパートナーがいるよっていう話の流れで、カミングアウトしたときに言われたこと。
この手の質問に違和感を覚える人LGBT当事者はかなり多いと思います。
この話題ってすごくデリケートなことだと僕は思うんですよね。
しかもそれを話していたのは「居酒屋」とかではなく、結構お高めのレストランのランチタイムでした(笑)
ディナータイムならいいのかよっていうわけではないですが、
昼間に話したい内容ではないよなって僕は思います。笑
異性愛者カップルに対してそのシチュエーションで「どういうプレーがお好きですか?」って聞かないですよね!!!!笑
会話中編
次はカミングアウトしていない相手に言われた言葉です。
しかも勤務先の上司に言われたため、その後それぞれの方とあまりうまく仕事できませんでした。笑
体はね。
このアルバイト先では、当時僕は周りの人から「女の子っぽいね」ってよく言われていました。
そしてある日アルバイト中に、仲の良いAさんと社員Bさんの3人で話していたときのこと。
先日ヘルプに来てくれた●●さんの話題をしたあと…
そういえばこの前、Z店の●●さんがヘルプに来てくれた時
「ばんくんって男の子だよね?」って心配してたんだけど
本当に大丈夫だよね??笑
体はね。
今考えればAさんの言い方にも少し問題ありますよね(笑)
しかしそれ以上に社員Bさんの言い捨てた言葉が理解できませんでした。
大丈夫かどうかって他人に判断されることではないですよね。
思うことは自由ですが、発言するときは言葉選びが重要だと思います。
言った本人は数年前に誰に何を言ったか忘れてしまいますが、言われた側は何年たっても言われた言葉やその光景が消えることはありません。
受け入れてあげなきゃいけない
これは別のアルバイト先の、テーブルサービスレストランでの出来事。
忙しかった営業もだいぶ落ち着き、お客様もだいぶ帰ってしまった時間帯。
僕は終電が早いのでテーブル担当をCさんに、引き継ぎをして帰ろうとしていました。
そのうちの1つに男性同士の2人組のお客様がいました。
あの卓はあとでバースデーケーキ出し忘れないようにね!
右側の男性●●様から、左の男性○○様へのお祝い!
あれくらいの年齢でも
男性同士でお誕生日お祝いを予約して祝うって
すごい素敵ですね~!
それを少し離れた場所で聞いていた店長Dさんがこっちに来て言いました。
まあでもさ~
LGBTの人たちも受けいれてあげなきゃいけない社会になってきたよな~
「受け入れてあげなきゃいけない」って、めちゃくちゃ上から目線すぎません????笑
僕自身受け入れてほしいとは思いません。誹謗中傷せずにそっとしておいてほしいです。笑
それなのに「異性愛者が上で、性的少数派が下というヒエラルキーだと無意識に思いこみ、そうやって発言するのは違うと思います。
平等という言葉とは程遠い社会がここにはまだありますね。
男なのに腕細すぎ
僕の家系は「やせ型家系」なので、どんなに食べても基本太りません。笑
父家も母家も太っている人はいません。笑
だから僕自身かなり細いので
腕ほそっ!!!!
お前、男でその細さはやべえよ!!
と定期的に言われます。
そんなに「男として」生きることが大事でしょうか?なぜ「男と女」の二択なんでしょうか?
その二択で当てはまらない人はこの世にたくさんいます。それなのにあなたの価値観で二択でしぼらないでほしいです。
その二択しかない価値観によって傷つく人は少数かもしれませんが、傷つく人がいることは事実です。
今生きている人全員が身体の性と心の性が一致しているとは限りません。
あなたの声のかけ方は、大丈夫ですか?
僕自身が神経質なだけかもしれませんが、僕はこの5つが特に印象に残っています。
誰しも人に言われたくないことはあるだろうし、それはその人の価値観によってかなり変わると思います。
ただ、
「こういうことは言っちゃいけないんだな~」ではなく
「こういう捉え方があるんだな~」と知ってほしいです。
そしていつか、LGBTの人もそうでない人も関係なくヒエラルキーを意識せずに生活できる社会になってほしいです。
どんな人に対しても、発言する前に相手に寄り添った表現ができているかを考える心の余裕を持ってみましょう。
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